中国にはお笑い芸人はいません。コメディアンはいるけれど、いわゆる、日本の芸人枠というか、ああいった扱われ方をする人種はいないみたいなんです。
ところ変われば品変わる、ではありませんが、笑いは共通ではないのでしょうか?今回は外国人からみた日本のお笑い芸人のお話。
妻はテレビっ子
妻は結構テレビっ子です。子供の手前、気を付けてはいるようですが、基本的にテレビという娯楽が好きなんですね。ドラマでもクイズでもバラエティでもいいみたいで、なんでも楽しんで観ています。
実はお笑いもいけます。ネタの向き不向きはありますが、ずれ漫才的なものまでしっかり笑っていますので、これはかなりの語学力のなせる技かと。
ちなみに、ヤンメイは中国語、ほぼ分かりませんので、先の春節に妻が観ていた「春节联欢晚会」のお笑い番組も全然笑えませんでした。
中国の紅白と言われる「春节联欢晚会」についてはこちら↓
笑いの2種類
お笑いを大きく分けると、お話が面白いのと、仕草が面白いのに分類出来るかと。漫才やコントとかは前者ですよね。後者はパントマイムとか。中国紅白のお笑いは前者だったのでしょう。
ドリフターズは後者ですよね。余所見して歩いて、木にぶつかって、上からタライが落ちてくる、みたいな。語学力がなくても見て分かるので、外国人でも、子供でも面白い。これは、国境を超えた笑いだと思います。
リアクション芸も大別すると、これに入るんでしょうか?熱湯風呂に入ったり、バンジー飛ばされたり、いわゆる、ちょっと痛い系のヤツ。これも、まぁ、言葉を超えて伝わる笑いかと。
中国にはないリアクション芸
ですが、この手のお笑いは妻には不評です。というより、ひどいことをする!とむしろ本気で怒っています。人権がないじゃないか!と。
いやいや、人権はあるから。
なんか人権の意味、間違えてない?
あれは仕事で、敢えてやってるんだよ。まぁ、尊厳はちょっとないかも知れないけど。
中国人はプライド高いのですよ。他人に自分や身内のみっともない話はしないし、カッコ悪い姿も見せたがりません。なので、自分の変な姿をまわりに晒して笑いを取る、というスタイルのお笑い芸人は存在しないんですね。
中国のテレビ業界
もっと言ってしまうと、カッコ悪いところを見せないというよりさらに露骨で、見栄えのいいものしかテレビに映しません。テレビに映れるのは美男美女だけ!これは料理番組だろうが、ニュース番組だろうが一緒で、テレビに出る人は皆、テレビ映りの良い人達ばかりです。
逆の視線から、なぜ日本のテレビはあんな変な人達をテレビに映すのか?という質問を結婚当初はよく受けました。確かにね。N〇Kとか、現場のレポートをする人が、クチャクチャの格好にひどい寝癖だったりして、なんでこんな人をわざわざ映すかな?とヤンメイでも思うことあるもんなぁ。
ともあれ、そういう美意識でテレビを観るのに慣れていると、リアクション芸人のひどい扱いはなんとも笑えないばかりか、やりきれない気持ちになって、爽快感がないみたいです。「スカッとジャパン」みたいなのは楽しく観られるようなんですけど。分かり易いパンチの効き方は好みのようです。
そんな、日中の笑いのツボの違いのお話でした。