ウチのカミさん中国人 ~毎日が異文化~

国際結婚したい人の夢を壊さないといいな。国際結婚の現実、いいとこ悪いとこ盲点、みんなお話しします。

中国の七夕物語にびっくり!珍説、新説、羽衣ミックス!

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昨日は七夕でしたね。帰宅後、夕飯の席で、中国の七夕ストーリーを初めて聞いてメチャクチャ驚きました!

なにそれ!?

ヤンメイが知っているのと全然違うんですけど!?

基本的に、七夕は中国の習慣が渡ってきたものなので、それがオリジナルなの?きっと、中国人も思うんでしょうね、なにそれ!?と。

今回はそんな、日中七夕異聞のお話。

中国の七夕

中国でも七夕は7月7日です。というより、七夕の物語自体が中国発祥なので、「日本でも七夕がある」という方が正確なのかな。織姫と彦星が年に一度会える日、というのは同じ。でも、中国では旧暦で数えているので、向こうの織姫、彦星が出会えるのはもう少し先の話。

それで、日本だと笹に短冊に書いた願いを吊るす、という子供向けのイベントと化していますが。中国は男性が女性に贈り物をして、愛を語らう日として認識されています。

あれ?それって、バレンタインと似てない?
と思ったあなた、鋭い!!

なんか、妻曰く、元々はバレンタイン的イベントとして七夕があったんだけど、そこにバレンタインが割り込んできたというか、業界の人が仕掛けてきたというか、そういう感じみたい。

それで、本家七夕はプレゼントイベントとして廃れたのかというと、そうでもなく。なんのことはない、男性が女性に贈り物をする日が増えただけなのでした(笑)。

なんて話は昨日初めて聞いたんですけどね。いままで何もおねだりされたことはありませんでした。郷に入って合わせてくれてたのかな?欲張らない優しい妻に感謝!

あっ、でも、中国人女性を狙っている若人には、これチャンスです!頑張ってサプライズすれば、ポイント高いんじゃないでしょうか?ちなみに、今年の旧暦七夕は8月28日のようですよ。

中国の七夕物語

それで、ヤンメイが妻から聞いた中国の七夕ストーリーについて、以下にご紹介。

昔々、あるところに彦星という貧しい農夫がいた。彦星は早くに両親を亡くし、兄と兄嫁と共に暮らしていた。ところが、この兄嫁は事あるごとに彦星に辛くあたり、とうとう年老いた牛一頭を与えて、彦星を追い出してしまった。

与えられた牛を使い、日々、貧しくも真面目に働く彦星の村に、ある日天女達がやってきた。地上の田舎にちょっとしたバカンスといった風に、天界から降りてきたのだ。人目もないので(←彦星がいますけど)、天女達は湖で水浴びを始めた。


そこで、老牛が彦星にアドバイスをした。「彦星、あの天女の衣服を隠してしまいなさい」と。実はこの牛はただの牛ではなく、ちょっとした霊力を持ったすごい牛だったのだ。彦星は驚いたが、牛に言われるがまま、一人の天女の衣服を隠してしまった。

さて、水浴びを終えた天女達が衣服を着ようとすると、ある天女(織姫)の衣服だけがない!「ちょっと~、私の服だけないんですけど~?」と慌てたのか定かではありませんが、なんと織姫は服がないので水から上がれず、仲間はそのまま水から上がって帰ってしまい、織姫だけそのまま放置。どうした流れでか、地上に残った織姫はなし崩しに彦星と結婚してしまいます。(妻が結構話をはしょったのかなぁ)

結婚後、一男一女を設けた彦星織姫夫婦でしたが、そんな折、天界から母が迎えにやってきます。今更!?何年経ってるの?

いえいえ、天界と地上界は時の流れが違うのです。出かけたきり帰らない娘を、何があったのかと迎えに来たてみたら、わずかの間に勝手に結婚し、なんと子供まで!織姫の母もさぞ驚き呆れたことでしょう。「こんなところに居てはいけない、帰りましょう!」と母は娘の手を引いて、天界へと飛び去りました。

驚いたのは彦星と二人の子供です。急に現れた天女が妻(母)を連れ去ってしまったのですから。でも、空に消えられてしまえば何も出来ません、普通は。

ここで霊力牛が再び活躍します。自らの角を折るとあら不思議、角は空飛ぶ船へと姿を変えました。船に乗り、親子は妻(母)を追って飛び立ちます。船は矢のような早さでどんどんと進み、ついに織姫と母天女に追い付きました。いよいよ、あと少し手を伸ばせば、織姫に手が届く距離まで近づいた刹那、母天女が背後からの接近に気付きます。

そして、あわや彦星の手が織姫を掴まんとした瞬間、母天女は髪からカンザシを引き抜いて、宙を払いました。すると、たちまち織姫と彦星の間に銀河(天の川)が広がり、彦星の手は空を切ることに。すんでのところで、天女の親子は銀河の向こうへ。彦星親子は銀河を渡れず、ただ悲しげに対岸から見つめるばかりでした。

銀河の岸で彦星親子が泣き崩れていると、それを可哀想に思ったカササギがどこからか集まって来ました。それはどんどんと集まり大きな群れになり、ついには銀河にかかる橋(鹊桥相会)となって彦星親子を渡らせてくれたのです。

やっとのことで、向こう岸に着いた彦星親子。その執念に免じて、織姫の両親は年に一度だけ、織姫が彦星親子と会うことを許したのでした。めでたし、めでたし…

 

まとめ

いやいやいや、言いたいことがたくさんありますよね。分かります、分かりますよ!日本人的にはツッコミどころ満載ですからね。

でも、これが中国に伝わる七夕物語の基本なんです。色んなバリエーションはあるようですが、それ程大差はないみたい。

多分、中国人からしてみたら、日本バージョンこそ色々言いたいことがあると思います。なんで、こんな変なアレンジされてんだ?子供達はどこに行ったのか?羽衣伝説とか話を分けるなよ!と。

ともあれ、中国では、年に一度しか会えずとも変わらない心こそが真実の愛なのだ。織姫彦星親子のように、ずっと変わらない愛を持ち続けることこそ、素晴らしい!という愛の日なんですね、七夕って。

ちなみに、中国では天女=美女らしく、織姫は絶世の美女のようです。日本だと、織姫、彦星の容姿って、特に描写されていないですけど。

そんな、七夕にまつわる物語の違いのお話でした。ヤンメイの驚き、伝わったでしょうか?日本人、勝手にアレンジし過ぎです。