ウチのカミさん中国人 ~毎日が異文化~

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美女と野獣(ディズニーアニメ)の感想 大人目線で考察した

明けましておめでとうございます!

まだ世間には連休中の方もいらっしゃるとは思いますが、ヤンメイも昨日より仕事始めです。このブログは基本通勤時間に書いているので、完全に休止していた年末年始でした。

で、お休みして何をしていたのかというと、ガッツリ子供と遊んでました!普段ね、なかなかたっぷり遊ぶ機会がないので、ここぞとばかりべったり過ごしました。

そんな中で一緒に観た、ディズニー映画「美女と野獣」。さすが王道の見事なエンターテイメント作品で語り尽くされた感もあるのですが。娘と見解の違いがあったりが面白かったので、ちょっとメモしておこうと。

今回は「美女と野獣」の魅力のお話。エマ・ワトソン主演の実写版でなくアニメの方です。もう20年近く前の作品なんですね。ネタばれ含みますので、初見の感動を大事にしたい方は回れ右!

いまさらの美女と野獣

もうね、知ってる人には今更なんですが、ヤンメイはこの正月に初めて観ましたからね。タイトルしか知らない人のために、サラッとディズニーアニメ「美女と野獣」のアウトラインを。

美女と野獣の原作

元々は1740年にフランス人のヴィルヌーヴ夫人によって書かれた小説で、その少し後に別の著者(ボーモン夫人)によって短縮版が書かれたとか。現在、広く知れ渡っているのはディズニーアニメとして1991年に映画化されたからだと思いますが、そのベースはこのボーモン版のようです。

なるほど、朝から町の人々の挨拶が「ボンジュール」なのはそういう訳か。フランス産なのね。

美女と野獣の時代背景

物語は「昔々、遠い国の〜」で始まるのだけど、美女の父親は発明家で、蒸気機関でまき割り器を作ってるくらいなので、時代としては産業革命前後。作品が書かれた18世紀頃のフランス社会が舞台なのかな?と推測されます。

美女と野獣のあらすじ

舞台はナレーションから。旅の魔女の容姿を理由に意地悪をした王子が、魔女から呪いをかけられるくだりから話はスタートします。醜い野獣に姿を変えられた王子が、心から人を愛し、また相手から愛されれば呪いは解ける、と。

そんな高めのハードルが設定された後、話は「ベル」という少女(いわゆる「美女」)が、村外れの発明家の娘として暮らしている日常を描いていきます。

フラッシュモブのような歌と踊りつきで、町中の人々から口々に変わり者扱いされるベルですが、趣味は読書の夢見る少女です。村のハンサムだけど粗野な若者ガストンの求婚には目もくれず、閉塞感のある村での生活が変わる事を願っていました。

そんな時、用事で出かけた父が山で馬を失い、一泊の宿を求めたのが野獣の住む城。知らずに入り込んだ父親は、城主たる野獣に監禁されてしまいます。家に逃げ帰った馬の足取りを追って、父親のいる城にたどり着いたベルは、父親の身代わりに城に留まることに。

そこで、野獣とベルの奇妙な交流がスタートするのです。これ以上のあらすじはWikiなどでどうぞ。

大人の美女と野獣鑑賞

大人になると、純粋な物語としてストーリーを楽しむだけではなく、色々他のことを考えちゃうようになりますね。だって、子供は繰り返し何度も観ますから。さすがに3度を超えるとその都度没頭出来ない(笑)。

例えば、主人公のベルが恋に落ちる過程って、完全に少女漫画のあれだよな、とか思えて来ちゃうわけです。

最悪なアイツ

よく考えると、野獣はベルを強制的に城に留め、父親と話もさせず追い返したので、出会い方から最悪です。

元々、野獣は意地悪な性格が魔女を怒らせて呪いにかけられているので、人の気持ちを思いやることが極端に下手です。まぁ、貴族で周囲は自分の使用人ばかり。おまけに何十年(百年以上?)も外部の者と交流がなければ、コミュニケーションが下手になっても無理はない。

一方、村で変わり者扱いされつつも心折れない根性のある娘ベルも、捕らわれの身ながら自分の意志を貫くので、最初は壊滅的に両者に接点が生まれません。お互いの存在がストレスでしかない。

こんな出会いから2人の関係はスタートするのですから、もう後は上げるばかりですよね。

実はいい奴かも

魔女の呪いのせいで、城の使用人達はみな、置き時計、燭台、ポットなど動く道具に変身させられています。久々の客人の到来に喜ぶ使用人達の歓迎に気を良くして、ベルの好奇心が動き始めます。

出入りを禁じられた西の塔。そこには野獣への呪いのカウントダウンをしめす深紅のバラ(この花が枯れるまでに娘から愛を得ないと、永久に野獣のまま呪いが解けない)が保管されているのですが、そこに無断で立ち入ったベルに野獣は大激怒!

これがきっかけで城を逃げ出したベルが狼に襲われているところを、野獣が身を挺して守ってから両者の空気が変わります。もう、めっちゃ王道です。

両者の心の距離を近づける大事なエピソード。ここの受け取り方が娘(妻)とヤンメイでまるで違うのが面白いところ。

ヤンメイは、最初に禁止してある部屋に入ったベルが悪い派です。特に、野獣にしてみれば、呪いが解ける前にバラに枯れられたら元も子もないので、いやが上にも保管に慎重になる(立ち入り禁止をする)野獣の気持ちが理解できます。

しかし、娘(妻)はあんなに怒鳴る野獣が悪い、と完全にベル側からの視点です。女の子があんな野獣に怒鳴られたらどんなに怖いだろうか、と主張します。

これ、1人で観ていたら絶対にない発想です。まぁ、40男がこの歳で自発的にディズニー鑑賞自体がそもそもないでしょうけど。結局、どちらが悪いとかなく、2人は親密になって行くのですけどね。

私を分かってくれる!

基本的に、この2人が仲良くなるのは必然なんですよ。この流れは実に巧妙に用意されています。仕掛けは冒頭で村から浮いているベルの描写から始まっています。

2人が仲良くなる過程で、野獣はベルを城の図書室に案内します。本好きなベルにとっては夢のような話です。ここから2人は本を介して仲を深めていきます。暖炉の前で2人で1冊の本を読む描写がありますが、実はこれこそが物語のミソです。

ここでまた舞台を18世紀のフランスと仮定して話をすすめますが、当時の本というのはまだまだ個人が所有するには高価なもので、なので作中には貸本屋が登場し、ベルはそこの本を借りています。

さほど大きくない田舎の町に貸本屋がある、ということは、さすがに本は貴族のみしか持てない値段ではなく、庶民の娯楽として広まりつつあったのでしょうが、あまり一般的ではなかったはず。

というのも、18世紀フランスの識字率は35%程度との数字があり、男女比では圧倒的に女性が文盲だったようです。なので、「町中でみんなが言ってるよ、女に本を読ますなってね」というガストンのセリフは、当時のベルの村の人々の一般的な空気だったのです。

おそらく、発明家を父に持つベルは知識階層かそれに近い教養を持っていたのでしょう。だからこそ、ベルの周囲には同程度の知性を持つ者は少なく、結果として狭い地域社会から浮いてしまい、変人扱いされてしまいます。文学を語るに足りる友など持てるはずもありません。

一方、野獣は見た目こそケモノですが、城主であり貴族であり知識階層です。ともに本を読み語り合うことが出来る。これは何よりの共通点。知性に理解者が出来たことが、ロマンスが生まれるなによりの下地だと思うんですよね。

ガストンについて

近代男子ガストン

ところで、作中にはベルに恋をする若者ガストンが重要キャラとして出てきます。ハンサムでたくましく自信家、ちょっと粗野で教養はあまりない。そんな役どころなのですが、これもまた実に見事にな設定だな、と感心します。

力強いマッチョ、けど教養はない。これでこの時代のこの地方では生きていけたのです。銃の腕は良く、鹿を仕留めるのもお手の物なので、猟で生計をたてているのかもしれません。

村の娘達は多くが彼に夢中。ハンサムなだけで男に惚れるお子さまばかりではないでしょうから、彼は見た目だけでなく、生活力もあったのでしょう。当時の村社会では彼が拒否される要素はないのです。

でも、ベルは彼になびきません。それはそれで作品的にとても滑稽で面白いのですが。ここにベルの人柄がしっかり描かれています。強く、たくましく、生活力がありハンサムだが自分勝手でベルのことを見ない(性格や考え方を尊重しない)男との生活には興味を感じない!

このことは、この村社会での価値観を認めない、ということですからね。価値観の一致しない変わり者。この認定が、後で村人達が野獣討伐に出掛けるさい、ベル親子を自宅に閉じ込めてしまう行動へとも繋がっている、と考えられます。

対照的に、野獣にはベル好みの知性があるし、おそらく当時の貴族のたしなみとして貴婦人を敬愛する思想もあるでしょうから。現代人の視点で見れば、ベルが野獣に惹かれるのは当然の流れです。

ただ、当時のフランス社会はごりごりの男尊女卑だったらしいので。ガストンのベルへの一方的な態度は、実は当時の社会ではスタンダードで、それほど身勝手とは映らなかったのかも。

ガストン覚醒!

しかし、野獣討伐の際、野蛮人ガストンは隠れた才能を発揮し、ただの野蛮人ではないことを示します。人々を扇動する才能です。

ベルの父親が野獣について、村人には信じられないような話を語り、ベルが野獣の無害を説きながらも、魔法の鏡でその姿を映し出すシーンがあります。

すると、ガストンはその語り口にベルの野獣への好意を感じ批判しますが、「怪物は彼ではなくあなただ!」と面罵され、手痛く振られてしまいます。

この振られたショックが反動でガストンの隠れた力が目覚めたのでしょうか?振られたとたん、すぐさま民衆を扇動し始めます。

「野獣は子供達をさらっていくぞ!夜になるとやってくる!」と危機感を煽り、

「やつの首を切り落とすまでは安心出来ない!」と人々を行動へと駆り立てます。

そして、そのまま討伐隊を組織して、野獣の城へと人々を率いて行くのです。なんと見事な才能!いや、本当、急展開なんですよ。しかも、その間に、ベル親子を自宅に軟禁することも忘れない細やかさ。

これって、ジャイアン的ですらあったこれまでのガストンの新たな一面です。やっぱり失恋のショックなんですかね?

物語の終盤、ガストンは刃物で野獣を刺すのですが。これまでもガストンは身勝手で粗野だけど、そこまで卑怯ではなかった。それがここに来て不意打ちです。野獣に命乞いをし、助けられた上での不意打ち。メチャクチャ卑怯です!

これも失恋でヤケになった上での、我を失っての行動、と言えば言えないこともないのかなぁ、なんて考えてしまいます。

小道具ビール

あと、作中でガストンと村の仲間達がガストンを讃えながら酒を飲む一幕があります。ミュージカル調でとても楽しいシーンなんですが、これも良くできてるなぁ、と。

これね、多分、飲んでるのビールなんですけど。 誰も食べ物を食べてない。それもそのはず、当時のビールは水分であり栄養飲料だったから。パンの代用品かはともかく、貴重なカロリー源として、また不衛生な水に代わる水分として、大量に消費されていたらしく。

そんな主食級の飲み物であれば、そりゃあ、ツマミはないよなぁ、と。実は時代背景を踏まえた細かい描写だったわけです。

ちなみに、この酒場ではワインを飲んでいる人もいましたけど、ワインはビールに比べると高価な飲み物で、劇中のように庶民がガブガブ飲むならビールの方がリアル。ディズニー、細かい!


なんて思ったことをつらつら書いていたら随分な文字数になってしまいました。ディズニー恐るべし!もちろん、こんなことを考えなくても、大人の鑑賞に充分堪える上質なエンタメ作品なので、あっという間の1時間半になること請け合いです!!

恐るべしといえば、音楽も耳にこびり付いて離れないんですよね、ディズニー映画。日常を浸食する魔力的な力を持っています。なので、子供が喜ぶ、という名目で、ついこんなの買っちゃいました。割と最近までのプリンセス系映画ソングが網羅されているので、娘大喜び!密かに父も喜んでます。もちろん、美女と野獣の歌も収録。

 

Disney Princess Best

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異文化全然関係ないアニメ話からスタートしましたが、今年もウチカミをよろしくお願いします!