タイトルを見て、なんのことかとお思いでしょうか?これ、最近ある人が言ってたセリフで、なんか名言っぽい、と思ったので気に入ってメモしておいたのですが。
なかなか核心を突いた一言だな、と。
安定、日本人大好きですよね。ヤンメイも好きです。仕事の業績、高めで安定して欲しい❤️
でもね、そういう発想でない人達もいます。他でもない中国人です!いや、彼らだって安定は好きなはずだけど、不安定の中にチャンスを見い出す強さがあります。
今回は日中の発想の違い、安定志向と上昇志向のお話。
日本人の安定志向
安定とはチャンスがないということである
実は、この言葉を言ったのはヤンメイ妻なのです。我が妻ながら名言だな、とその場でメモ。ここに、日本人と中国人の発想の違いがはっきり出てる気がしまして。というか、上記まさに中国人の発想だな、と。
日本人が世界の中で特別に安定志向なのかどうかは知りませんが。日本は基本的にルールは守るし、交通ダイヤも不必要なくらいに正確、部活や会社はまだまだ年功序列、波風立てない穏便な態度を求める社会風潮も根強いです。変化や予定外のことを望まない安定志向です。
もちろん安定は悪いことじゃないですよ。昨日と同じような今日が来て、今日と同じような明日が来る。ちょっと退屈かも知れないけれど、急に強盗が家に押し入って来るとか、いきなりガンの宣告を受けるみたいなショッキングな展開よりずっといい。
でも、とりあえず大きな問題がなければ10年後、20年後の給料が大体計算出来る安定した人生。これを多くの人が望んできたのが日本社会といえます。
安定のためにシステムが強固になるので、中の人自体の重要性が低下します。つまり誰が入れ替わっても大丈夫なよう、採用の時から人材の質も揃えてあるワケですね。
例えば官庁とかだとトップの人事は年次(入省した学年みたいたもの)で概ね決まっていて、2年前後で順送りです。ここで、「やだやだ!せっかくトップになったし、バリバリ仕事したいんだい!」と留任を望むとかは出来ません。なにしろ後がつかえてますし、前例がないので迷惑ですから。トップとかいっても1つのコマに過ぎないので、大きな改革は出来ず先例に従って任期を終えることが望まれます。
つまり、安定した世の中って、それを守るために大人しく、ジッとしていなきゃならないんです。はみ出しちゃダメ!ってことですね。
中国人の上昇志向
その点、中国人には横並びの発想はありません。一歩前に、日本人の感覚からするとグイグイ来るな、くらいの積極性が評価されます。
取引きだって、古くからのお付き合いを重視してずーっと同じにやられちゃうと、新参者が食い込む隙間がない。なので、むしろかき回して不安定にしておいて、そこに割り込んでゆく。トラブルをチャンスと見て行動する人が多いです。
もちろん、関西人にも面白くない人、笑いの苦手な人がいるように、中国人だってみんなが積極行動ばかりではないですが。それでも社会の空気として、前に出てゆくことは否定されません。利害関係者に邪魔にされるとかはあっても、その辺も自己責任、自己防衛の気風があるように思います。
じゃあ、失敗したらどうなるのか?日本人は割とそこを気にしてチャレンジ出来なかったりしますが。社会にセーフティーネットはないのですが(共産社会なのにっ!?)、個人の人脈がものをいいます。
日本ではSNSで人が集まったり、クラウドファンディングで金を集めたり、従来のコネや銀行以外の選択肢が出てきています。中国も同様のスタイルはあるのでしょうが、メインはコネ社会と言われるように、個人のリアルなつながり、顔の広さが基盤になります。リアルな友人関係から友達の友達と繋がったり、お金を引き出したり。それがセーフティーネットの役割を果たすようです。助け合いの精神ですね。
まぁ、本来、お上が制度としてセーフティーネットを整えるより、まずは周囲の人間関係に頼る、というのは自然な気がします。
ともあれ、中国では起業は一般的で、どうやってお金を稼ぐか、というのが普通に考えられています。「どこに就職するか」ではなく、「どうやってお金を稼ぐか」です。就職というのは、あくまでお金を得るための一手段なんですよね。
そして、しっかりたっぷり稼いで、早々にリタイアする。それが美しいスタイルのようで。日本の創業社長のように、いつまでも現場にいない。悠々自適に蓄えた富で暮らすのが、多くの人が描くゴールのようです。そのために、「より稼ぐ」という上昇志向が強く、安定をよしとしないんですね。
ある意味、たくさんお金を稼げばいいのか?とか本当の豊かさとは?といった、答えの難しい問いはあまりなくて、「稼ぐ → 引退 → 優雅な暮らし」 みたいな明確な模範解答をみんなが追っている、単純な強さがあるように見えます。
チャンスがあって良かったね
本当は、もうそんな日本人がここしばらく追ってきた安定なんてとっくになくて。多くの場面で未来が読みづらくなってるんですけど。
色々変わりつつある現状を、じゃあどうしようか?とあれこれ考える余地がある。自らのアクションで道が開けるのって悪くないです。そのアクションによっては道が閉ざされることもありますけど、ただ同じことを繰り返してるよりは、ずっと楽しいかな、と。また別のチャレンジをすればいいだけですからね。
実は、妻のセリフは仕事で色々あったことを話していた時、ドヤ顔で言われたものです。それがヤンメイには「チャンスがあって良かったね」と言われたようで。トラブル上等!という男らしい妻を持つと、気が楽で良いです。
そんな、ウチの妻がなんか良さげなことを言った、というお話でした。