なんと、ヤンメイ妻、泥棒に遭いました!
ですが、無事盗まれた物は取り返し、身の安全も確保する完璧な対処!もちろん、もっとやりようはあったかも知れませんが、果たして、ヤンメイが現場にいてこのような上手な対応が出来たかどうか。
今回は、中国人妻が日本で泥棒に遭ったけど、事なきを得たお話。本当は伝聞ですが、見ていたように書きますので悪しからず。
日本慣れしてきた妻
妻は先日、スーパーの前に自転車を停めて買い物をしていました。すでに八百屋などでメインの買い物は済ませていたのですが、ちょっとした追加の品を買いにスーパーへ。小さなスーパーで、1、2品買う間だから、とメインの買い物袋はカゴに置きっ放しでした。
時々、ヤンメイ妻はそういうことがあります。重いのが面倒なのと、よもや日本で、しかも住んでいる近所でカゴの物が盗られることはないだろうと。
いやいやいや、ちょっと日本を信用し過ぎじゃない?
とは思いつつ、まぁ、実際じゃがいもや牛乳を盗んでく人もいないだろう、とヤンメイも妻の荷物放置をそのままに放置してきました。
これが今回の泥棒騒動の遠因なのですが、まぁ、妻もヤンメイも日本の治安を信じ過ぎ、というか、他人の出来心を舐めてましたね、ハッキリ言って。
むしろ、目の前にすぐ使える物、食べられる物を置いておいておいたら、盗って下さいって言ってるようなもんじゃないの?これってくれてるんだよね?くらいの感覚の人って、いるんですよ。特に、外国人も住人、観光客ともに増えてますからね。同じ感覚が共有できる、という村社会的前提ではいけなくなってきてるんでしょう。
泥棒に遭遇したら?
それでも、時間にして5分しないくらいだ、と妻はいいます。自転車に戻ると、前カゴに入れておいた品物の袋だけがなくなっていました。
素早く周りを見回すと、隣に停めてあった自転車だけがありません。更に視線を遠くまで伸ばすと、100mも離れていないところを急ぐでもなくスーパーから離れる方向に進む自転車が。
なんとなく直感に導かれ、ヤンメイ娘を後部席に乗せてその自転車を追い始める妻。急いでいる相手でもないのですぐに追いつき、追越しざま容疑者のカゴを覗くとビンゴ!
妻が買ったものとまるで同じ袋に同じ品物達が!まるで同じ取り合わせの商品が同じ袋に入っている偶然はそうはないでしょう。確信を持った妻は、走りながら犯人に声をかけました。
「すいません、これは私のモノですよ!」
相手を責めるのでもなく、まずは事実を述べます。
「ちゃんと防犯カメラにも映っていますからね!」
完全にブラフですが、ここで攻撃。犯人は普通の主婦のようで、自転車の後ろには子供用の座席も付いています。攻撃が効いたのか、犯人は停車。同時に妻も停車します。
犯人は特にしゃべらず「あぁ…」とか言葉にならない呟きをもらしながら盗品を妻の自転車カゴに返して来ました。特にすみませんとか謝罪の言葉は一切なし。
そのまま走り去ろうとする犯人主婦に「今度は気を付けて下さいね」と追撃。もう勘違いで他人の荷物を持っていくな、とも受け取れるし、次やったらツキ出すぞ、とも受け取れそうな、玉虫色の釘の刺し方です。そのまま犯人主婦は走り去りました。
それって危なくない?
ちゃんと読んでいた方はお気付きかと思いますが、この追跡の際、妻は子供を後部席に乗せています。これを「子連れで危ないじゃないか」とか「犯人の追跡、盗品の奪回なんて素人が危な過ぎる」という感想も当然あるかと。
でも、妻としてはそれなりのリスクヘッジはしているんですよ。
1.後ろからの追跡、追越し
犯人の背後から追い越しをするなら、犯行の確認もし易いし、そのままスルーも出来る。
2.逃げ道を塞がない
回り道をして、相手の前を塞ぐことも出来た経路でしたが。やはり子連れだし、そこは逃げられても仕方ない、過度に追い詰めてはいけない、と相手の逃げ道は塞ぎませんでした。
3.他人がいる場所で
妻が追跡をした道は、一応人通りもお店もあるところ。むしろ、そのエリアを越えて、住宅街に入る前に声かけをしています。
4.お店はすぐそこ
妻が商品を買った個人のお店屋さんも目と鼻の先で。万が一、シラを切られても、レシートもあり、お店の人の記憶(買ったばかり)という後押しも期待出来る場所でした。
5.計画的犯人ではない
状況から見るに、凶器を用意して逃亡まで計画しての犯行ではなさそうだし。すごく危険な犯人ではないだろう。子供席まで付けた人が、自転車で足のつかない場所まで遠征してきて、置引きをするタイミングを狙っていた可能性は低い。恐らく、子供のいる地域住民の突発的犯行なので、そんなに騒ぎにはしたくないだろう。
もちろん、色んな考えがあると思います。結果オーライで危機感が足りない、という考えだってありますが。ヤンメイは単純に「凄い対応したな、見事だな」と思ってしまいました。
君ならどうする?
そもそも、ヤンメイだったら自転車に戻ってカゴの品物がなかった時点で、ガッカリして反省して終わりだと思うのです。「あぁ、荷物を置きっぱなしにした自分が悪かったな」と。よもや、周りを見渡してみることすらしないでしょう。
さらに、ああいった当たり障りのない、事実だけを述べた第一声も思い付きはしません。そして、それまでに上記のリスクを判断して、犯人が消える前に追いかける行動力もあったかどうか。運転なんかしてても妻は思い切りが良くて上手です。
恐らく、妻は妻なりに総合判断をして、イケると踏んだので一連の行動に出たのでしょう。どうも、こうした瞬発力、判断力では中国人の妻の方が、日本人であるヤンメイより優っているな、と感じます。もちろん、彼女の方が〝若い〟というのもあるのでしょうが。
今後は荷物は置きっぱなしにしないか、前カゴにネットだけでもかけて犯行時の手間を増やしてやろうと思います。少しでも面倒だな、と思わせれば出来心の犯行は減るかも。
ちなみに、妻は犯人像について面白い分析をしていて。顔からは全然判断出来なかったが、恐らく外国人ではないか?と思っているようです。というのも、盗品を返す際にも犯人は一切口をきかず、お詫びの言葉もなかった。日本人は悪くなくても反射的に謝る民族なので。この謝らない、という姿勢は、恐らく顔の似たアジア人のものだろう、と想像しています。
そうかぁ、日本人は謝る民族かぁ。そうだね、確かに。
ともあれ、妻は泥棒に遭いましたが、盗品は無事に取り戻しました。むしろ、被害に遭っただけでなく、警戒心が強くなるという反省も生まれた、というお話でした。