ウチのカミさん中国人 ~毎日が異文化~

国際結婚したい人の夢を壊さないといいな。国際結婚の現実、いいとこ悪いとこ盲点、みんなお話しします。

外国人の宿泊トラブル、これが未来のスタンダード?

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さて、このお正月、群馬にプチ旅行をしたヤンメイ家でしたが、実は小さなトラブルがありました。

些細なことなんですけどね。ヤンメイ家も宿側も微妙に嫌な思いをしました。お互い、少しの不注意というか、ボタンの掛け違えみたいな感じで。でも、これって、今後の日本でたくさん起きてくる事例の一つなのかな?と。

今回は異文化接触のすれ違いのお話。

飲んではいけないコーヒー

お正月に泊まった宿で、少し残念なことがありました。サービスにまつわることだったのですが。

ヤンメイ達の泊まった宿、こじんまりとしてはいましたが、玄関の脇にラウンジ的な空間があり、そこにお茶の用意があったのです。入館時の説明だと、お茶はセルフサービスで、ポットのお水と麦茶、それと机の上のインスタントコーヒー(クリープもあり)は自由に飲んで下さい、と。カップは棚から出して、使用後は使用済カゴに入れたおいて下さい、と。

前回もお話したように、正月なのに普段以下くらいの料金の宿なので、そんなサービスがあることにもちょっと感心しました。他にも絵本スペースや無料マッサージチェアなど、小スペースにもおもてなしの心を感じる設えで、安かろう悪かろうみたいな心配もなくなっていたのですが。

問題は朝食後に起きました。先に食べ終わった妻が、ヤンメイにコーヒーを入れてくれる、というのでお願いしました。朝の眠気覚しに一杯飲んでおこうと。

しかし、ヤンメイ妻はなかなか隣りのラウンジから戻って来ません。なんか面白いものでも見つけたかと思っていたら、宿のオヤジさんとコーヒーをめぐるトラブルが発生していたのでした!

戻ってきた妻が憤慨して言うには、カップの棚にドリップパックのコーヒーを見つけた、と。それを開けて入れようとしたところ、ふとゴミ箱がないことに気付き、宿のオヤジさんにゴミ捨てについて尋ねた、と。

すると、オヤジさんがびっくりして怒り出したそうです。「こっちのコーヒーはこの時期は出していないんだ!勝手にこんな風に開けて入れちゃう人はいままでにいない!」

てっきり飲んでも良いので置いてあった(正確にはサービス用の台上ではなく、棚の中にあったのですけど)と思った妻も、新年早々怒られてびっくりしました。

そこで、じゃあ、このコーヒーはどうしようか?と尋ねると、オヤジさんは「もう捨てるからいい!」と、引っ込んでしまったのだと。その後出てきた奥さんの対応は丁寧で、ちゃんと淹れたコーヒーが冷めないようにサーバーにかけてくれたのだとか。

悪者は誰だ?

ヤンメイ的には、お互いの言い分が分かります。オヤジさんにしてみれば、飲んで良いと指定したテーブル以外の場所からコーヒーを出され、飲まれてしまったのは初めてらしいので、驚きと怒りがあったのでしょう。

しかも、〝時期〟が云々と言っていたそうなので。安価なプランで泊めている冬の期間には出さないつもりのコーヒーだったのかも。いちいちドリップコーヒーを飲まれては割りが合わないとかあったのかな?

しかし、ヤンメイ妻にしてみても、あんまり最初の説明を注意して聞いてなかった、というのはあるけれど、使って良いカップと同じ棚にあるコーヒーを飲んで怒られるというのは理不尽に感じたことでしょう。

しかも、ヤンメイも悪いのですが、妻に「粉コーヒーがあったから淹れてあげようか?」と訊かれて頼んでしまったのですけど。ヤンメイ妻のいう粉コーヒーとはドリップパックのことだったみたいです。ウチではインスタントコーヒーを飲まないので、てっきり妻はインスタントコーヒーを粉コーヒーと言っていると思ったのですが。確かにドリップパックは粉コーヒーですよね。意味を適当に理解して返事をしてしまったヤンメイのせいでもあります。

まぁ、指定場所以外のしまってあった(?)コーヒーを淹れた妻も不注意だし、淹れられて困るものを簡単に目に付くところに置いておいたオヤジさんも不注意で。不幸なボタンの掛け違えと言えなくもない事件です。

外国人妻の怒りポイント

しかし、この件でヤンメイ妻は大分腹を立てていました。主にそのポイントは2つ。

まず、「こんな風に開けて飲まれたのは、ずっと宿をやっていて初めてだ」と呆れたとも怒っているとも取れる態度をされたこと。棚に置いてあるコーヒーを淹れるというのは、そんなに大それた過失なのだろうか?と。新年早々それほど怒ることですか?

もう1点は、飲みたくて開けたコーヒーなのに飲ませずに「これはもう捨てるから」ってなんなんだ?「これはサービスではないので別途料金がかかります」というなら分かるけど、捨てるって失礼だし、コーヒーも無駄になるだけだ。飲ませるくらいなら捨てる、というのか?と。

う〜ん、これはヤンメイはサービス業なので厳しめの判定なのですが、特に後者のオヤジさんの対応はナシだと思います。お金の問題ではない!という程失礼なことをした訳ではないし、むしろ、妻の言うようにやんわりと注意してから別に料金を取る(取らなくてもいいけど)くらいが、着地点として適当じゃない?

金を払えばいいんだろう!?と言う態度は論外ですが、実際問題、現物かお金で補填するくらいしか手はないですからね。

お店としてもサービス、勉強代と割り切って無料で済ますか、小さなコストもちゃんと回収しようと料金を請求するか、ってところでしょう?

今後、起こり得る未来図

これね、ヤンメイ妻はかなり高い日本語力を持っていて、なおかつ日本の風習に大分慣れていても起きた事件です。アジア人の場合、見た目だけだと日本人と同じケースもありますから。宿をことさら責めるつもりもないですが、知らずに外国人客を迎えて、似たような、もしくは想像もつかないトラブルが起こる未来は容易に想像できます。

国は国策としてジャンジャン外国人に来てもらって、各地に金を落として貰いたい!ウェルカム、ジャパン!!とかやっていて、今後更にそれを盛んにしていきたいようですけど。

それって、これまで来なかったような田舎の民宿にも普通に外国人が来るようになるってことです。言葉の通じない、習慣の違う人達をお迎えする覚悟が、受け入れ側の観光地や宿にはあるんでしょうかね?

その時、今回のヤンメイ達の泊まった宿のように、口頭で通り一遍の説明をするだけでは、自らトラブルを招いているようなものです。

そもそも前提が、日本語が分かる、日本の習慣が分かる、という態度ですから。これまではこれで良くても、今後はその前提が相手に通じない可能性がどんどん高まって来ると思います。

なので、例えば今回のケースだと、飲み物置き場にせめて「Help yourself to drinks.」(合ってます?)くらいの表示をしておく、とか、書いて示しておくって必須になるのかな、と。

書いておいて無視されたら、それは文句のいいようもあるだろうけど、なんの表示もなければ、それで分かれ!というのも傲慢な時代になりつつあるのです。昔ながらのご商売の方には厳しい考えかも知れませんが。

なので、本当に今回たまたまヤンメイ家が起こした事件は、宿にはよい学習の機会だったのでは?とか思ってしまいます。多分、何も対策をしない場合、今後10年で類似のトラブルがヤンメイ家だけで済むとは到底思えません。

ちなみに、チェックアウト時に、妻の過失について謝ってコーヒー代をお支払いしようとしたら、オヤジさんには受け取っていただけませんでした。ご馳走さまです。宿自体は値段の割に良質なサービスの良心的な宿だったことを追記しておきます。

 

そんな、お正月に起きたヤンメイ家の宿泊トラブル、外国人増加時代における宿屋の未来予測についてのお話でした。