ウチのカミさん中国人 ~毎日が異文化~

国際結婚したい人の夢を壊さないといいな。国際結婚の現実、いいとこ悪いとこ盲点、みんなお話しします。

子供にヒーローものを見せないとどうなるかの一例

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男の子で変身ヒーローに夢中になる子は多いと思います。でも、お母さん達は「あまり子供にヒーローものを見せたくない」という考えの方も多いようです。主な理由は叩いたり、蹴ったりのゴッコ遊びが好まれないからみたいですね。

これにも賛否色々あるようですが、ヤンメイ家は女の子で変身ヒーローにまるで関心がない子なので、その辺の事情を実は良く知りません。

ただ、その是非は置いておいて、ヒーローものを見せない家庭、見せない環境のお話を聞いたので。小さな頃から「戦う」番組を見ることの影響について、色々考えてしまいました。

今回はそんな、子供にヒーローものを見せることの影響、についてのお話。

変身ヒーローから逃れるのは不可能?

仮面ライダーとかウルトラマンとか戦隊ものとか、日本には男児向けの「戦う」ことを主軸とした変身ヒーローのコンテンツがとても多いですね。男子の多くは夢中になって見たがる反面、それらの番組は一定数の母親に受けが悪いようです。

子供はすぐ影響を受けますから。子供の遊びの中に「戦いゴッコ」が入ることを好まない層から、番組自体が敬遠されているんですね。「あんな叩いたり、蹴ったりするような乱暴な遊びはさせたくない」ということでしょうか?

ただ、実際には、なるべくそういうコンテンツから我が子を遠ざけている家庭でも、幼稚園、保育園でお友達と遊ぶうちに、自然とヒーロー情報に触れてしまいます。なので、なかなか無菌状態で育てるのは難しいようです。

もちろん、環境にもよるのでしょうが、おもちゃだけでなく、幼児向けの雑誌やお菓子にもヒーローは出て来るので、完全にシャットアウトするのは大変でしょう。

でも、それは日本文化圏での話。子供の主な情報源が英語主体の場合、シャットアウトはそこまで難しくはないようです。

インターナショナルスクールにヒーローはいない?

お子さんをインターナショナルスクールとかインタープリスクールに入れているご家庭では、お子さんを取り巻く環境が英語中心なことが多いようです。

両親が日本人だと、普段の家庭内で英語を使う訳ではないかも知れませんが。片親や両親が英語圏の人達の家庭の場合、家庭内の会話が英語中心になります。(中には努力してその環境を作ったりするとか)

すると、子供が日常的にはあまり日本語を使わないので、見るテレビ番組も英語圏の子供番組が中心になって、いわゆる日本のヒーローものを見ないんだそうです。まぁね、見ても何言ってるのか分からないとあまり面白くないでしょうし。

いわゆる、アメコミ的なヒーローとかは見ないのかな?と思うのですが。あれはまたもう少し対象年齢が上みたいで、そんなに子供が夢中になるってものではないらしいです。

さて、そんな変身ヒーローを一切見ないで幼少期を過ごす男子はどうなるのでしょうか?やはり、一部のお母さん達が好む、ヒーローごっこで叩いたり蹴ったりしない子に育つのでしょうか?

変身ヒーローを見ないと

サンプル数4件の偏った結果ではありますが、そんな英語文化の中で育ち、日本の変身ヒーローを一切見ないで育てたご家庭の話を聞いたみたところ。

 

 

やはり、ヒーローごっこ、戦いごっこで遊ぶことはない(なかった)、との証言を得ました。

 

 

どちらのご家庭も男子のお話ですよ。遊びの中で、パンチやキックを繰り出したり、刀的な棒切れをもって切りかかるような遊びはしなかった、と。

なかなか興味深い結果ですよね。

やはり人は、その日常の行動に見本やモデルの影響を大いに受けるんだなぁ、と思いました。

戦いごっこを好まないお母さん達が変身ヒーロー番組を見せたくない、というのはビンゴだった訳です!パチパチパチ(拍手)!

 

でもね。

 

 

それは多分、お母さん達の望む子育てが出来る、ということとイコールではないです。

変身ヒーローを見せない=戦いごっこをしない

ここまでは達成出来るかも。

 

でも、そんなご家庭の子供も兄弟ゲンカはするらしいです。気に入らないと手が出たりも普通にあるそうです。

お母さん達の望みは

戦いごっこをしない=暴力的なことをしない=穏やかで優しい人  、に育つことなのだと思いますが。

残念ながら、変身ヒーローにそこまでの力はないみたいです(笑)。

遊びは遊び、教育は教育

子供ってバカではないので、遊びは遊び、と割り切っているところがあると思います。

現に最近、子供と砂場でおままごと的な遊びをしていたら、砂団子を食べるふりをしていたヤンメイは「本当に食べちゃダメだよ!」と注意されました。

ごっこの対象になりきったり、シチュエーションにどっぷりと入り込みつつも、一方でこれは遊びなんだ、と理解しながら遊ぶようになるんです、ある程度の年齢になると。

まぁ、男子は多少アホなので、理解しつつも夢中になって遊ぶと加減を忘れちゃう、くらいはあるかもしれませんが。

ヤンメイ達はさんざんヒーローごっこをした世代ですが、別に団塊ジュニア世代が特に暴力的ということはありません。金曜の夜にはプロレスの中継があり、土曜日になるとプロレスごっこに興じた世代ですが、暴力事件を起こした友人の話は聞いたことがありません。

一方で、幼児期に変身ヒーローを見ない(かもしれない)アメリカでドメスティックバイオレンスの概念が発達していることからも、そんな下地がなくても人は他の原因で暴力的になるってことです。

教育が大事

ならば、変身ヒーローを見せないというのは、非暴力を育てる上では意味がないですよね。簡単なんで、頭を使わない短絡的な人はやっちゃうのかも知れませんが。

それよりも、非暴力を育てるのはやはり教育です。

ヤンメイが子供の頃は「女の子や自分より小さい弱い者に暴力を振るうのはいけない」と教わりました。つまりはそういうモラルの刷り込みですよね。

アメリカでもDVの防止方法として、幼児期からの教育が重視されているようです。これは単なる禁暴力というだけではなく、感情の自覚、コントロールまで踏み込んでいるそうですが。

なので、本当に〝暴力的に育って欲しくない〟と望むならば、嫌なモデル=変身ヒーローを見せない、という手抜き消極策ではなく、望ましいモデルをどんどん見せていく、積極的に教育していく、という手間をかけないといけないんじゃないでしょうか?

 

全然余談ですが。件のインター幼稚園では言葉も分からないのに、めちゃくちゃウルトラマンにハマっているインド人の子がいるそです。ああいう、巨大ヒーローの魅力って、人種や言葉を超えて伝わるんですねぇ。

 

そんな、変身ヒーローを見せないで育った子供達はどうなるか?という少数例のお話でした。