ヤンメイ家、お正月はおせち料理を食べます。ただ、正直なところ、妻はおせち料理があまり好きではないです。お付き合いで食べてくれている感じ?でも、それすらたどり着くのにはそれなりの歩み寄りがありました。
今回は国際結婚家庭がおせち料理を食べるようになった過程のお話。
なんで料理が甘いのよ!?
ヤンメイ妻、ヤンメイと付き合ってから、初めておせち料理を食べました。かれこれ9年も前の話です。
おせち料理といっても、そんな本格的な凄いのではありませんよ。基本は各種煮物。それと田作り、昆布締め、錦糸卵、伊達巻、カマボコ、酢ダコ、ナマス、栗きんとん、黒豆、お雑煮くらいでしょうか。あとはおせち料理ではないけれど、焼いた海老と彩りとしてのサラダ。
全部にこやかに平らげた妻でしたが、口に合ったか?と後から本音を訊いたところ、
「なんで料理が甘いのよ?」と。
煮物はまぁ、想定内の味としても、他のメニューも基本甘い物ばかりだったので、結構びっくりしたらしいです。
甘い中華料理を挙げてみよう
確かに、甘い中華料理って、あまり思い付きません。あるにはあるんですけどね。メジャーなメニューだと甘酢系がいいところでしょうか。酢豚とか肉団子とかね。
月餅とかあん饅とかもありますけど、あれはメインの料理にカウントして良いものか?しかも、まんじゅうだと肉まんも知られていますが、実は月餅もしょっぱい系があるんですよ。なので、甘いのはまんじゅうも月餅もバリエーションの1つに過ぎないのです。
でも、おせちは違います。栗の甘露煮や伊達巻のしょっぱいバージョンはありません。あるとしたら、もうそれは別の料理です。
ともあれ、中国人的には甘い料理のオンパレードのおせち料理は好まれませんでした。あっ、海老とお餅は満足だったようですが。
おせちクライシス
なので、ヤンメイ家のおせち料理は、お正月に実家に行った時のみ食べるものでした。まぁ、妻も好きな物を選んで食べていれば、そんなに問題はなかったので。
ですが、両親が亡くなったことで、我が家のおせち事情はピンチを迎えます。よもや、外国人の妻におせちを作って貰おうとは思いませんが、せめて買って食べたいな、と。
しかし、そう相談すると
なんでおせち?
その分の予算を貰えれば、はるかに美味しい料理を作ってあげるよ?
と、にこやかに返されました。
違う違う違う違〜う!
いや、一面では合ってる。
おせち料理、そんなに美味いもんでもないよ。
確かに同額渡せば、妻はかなり素敵な料理を並べてくれるでしょう。
でも、違うんだよぅ。
美味い料理ではなく、お正月におせちが食べたいんだよぅ。
しかし、そもそも妻はお金を出してまでおせち料理を食べたくないのです。ヤンメイが出資するとしても、根本的には同じことなので歓迎されません。かくして、ヤンメイ家のおせち文化は存続の危機を迎えました。
今年もおせちがありがたい
ですが、結論から言うと、ヤンメイ、その後もおせち料理を食べられています。ヤンメイだけでなく、家族皆で食べています。
実は、そのような我が家の事情を知った方が、わざわざ年末におせち料理を贈ってくださるようになったのです。
頂いたお料理に文句を言う妻ではありません。また、出来合いのお重は各種ひと並べずつですし、バラエティに富んでいて、実家でのように甘い物過多ではありません。一、二回で食べ切れるサイズ感も良かったようです。
かくして、正月に一度はおせちが食べたいヤンメイと、色々を少しずつ食べられる妻の利害が一致。人様から頂ける、という事情も併せてヤンメイ家、今でもお正月はおせち料理を食べます。
子供の好みは今後どうなるか分かりませんが、来年も気持ち良く伝統を守らせていただこうと思います。