ウチのカミさん中国人 ~毎日が異文化~

国際結婚したい人の夢を壊さないといいな。国際結婚の現実、いいとこ悪いとこ盲点、みんなお話しします。

中国への憧れ?バカも休み休み言って欲しい

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昨年の中国人の訪日人数は637万人(日本政府観光局調べ)でした。2016年、一番日本に来ていた外国人が中国人ということです。

それだけ多く目にする、接することが増えたせいか、中国人の良くない評判に触れることも増えてきた気がします。なにせ、Yahooの検索窓で「中国人」と入れると、予測変換で続く単語は「女性・マナー・嫌い」ですからね。どういう検索のされ方をしているか予想できますよね。

ヤンメイは奥さんが中国人ということもあり、できれば日中関係が良いと嬉しいし、中国人に対するイメージも向上して欲しいな、と思っています。

ですが、本日とっても残念なニュースを見かけてしまい。というか、突っ込みどころ満載過ぎて、モヤモヤしました。

残念ながら、中国を悪しざまにいう記事は他にもたくさん見るのですが、なんでこの記事への嫌悪感が強かったのか?中国人の伴侶を持つ日本人視点でのお話。

Yahoo!ニュースさん、やらかす

冒頭の残念な記事というのはこちらです。厳密には、Yahoo!ニュースがやらかしたのでないのですが。なんで、これをこういう風に取り上げるかな、と。

百田氏が言うことを要約すると、

「歴史的に好意を持っているので、危険性に対する認識が甘くなっている」

「中国とは文化的にはっきりと違いがあり、野蛮で危険な国だ」

「中国への無意味な憧れを生むから、漢文教育は廃止しろ」

こんな感じにまとめられます。

別に憧れてないから

結論を言うと、全部妄想めいています。根拠がどこにもありません。ソースは俺的な?百田氏、近年ちょっとイっちゃった芸風で売ってる認識でありましたが。それなりに知名度がある人が、こういうこと言うと「売れなくて苦しいのかな」とか「元テレビマンだし炎上商法かな」とか思ってしまいます。

例えば「皆なんとなく『史記』が好きだし」とかサラッといっちゃう。


どこの皆の話ですか?


ヤンメイ、周りに『史記』好きな人、見たことありません。それなりに親中派であるヤンメイにしたって『史記』なんか読んだことも、それこそ一節も知りません。辛うじて「司馬遷」が著者だと知っているくらいで、これも正解率5割以下じゃない?と思います。多分、うちの妻だって『史記』なんか読んだことありませんよ(笑)。

強いて言えば、「キングダム」とか古代中国を題材とした人気の漫画は、「史記」と時代が被るので、そこから「史記」に興味を持つ人が少しはいるかもしれないけど。それは、日本の戦国モノや三国志と同じく、文化背景とかではなく、主人公が成長して敵を打ち破る、「ストーリーの快感」への共感のオマケでしょう?

「『中国4000年』という言葉も、あの国への無意味な憧れを生んでいます。」と。これもね、「なんか長い、古い歴史がある国ね」って以上の認識があるんでしょうか?確かに「中国秘伝の〇〇」とか言われると、健康面、食事面に関してはスゴそうな気がしますが。「フランス式子育て」とか「英国式ガーデニング」とかを超えた、ものすごいインパクトってない気がします。少なくとも、中国のポジティブイメージを前面に出しても書籍なんか売れません。

日本人が中国に憧れを抱いている、という根拠がよくわかりませんね。事実は、ヤンメイのように中国人に好意を持っている日本人が一定数いる、ってところじゃないですか。

漢文廃止は無意味

確か、高校の漢文の授業で「白髪三千丈」とかやった記憶がおぼろげにあり。内容はよくわからないけど、文化的に「なんか大きく表現する癖がある」と習ったなぁ、と。

これって実はすごく大切で。「中国はなんでも盛って表現する」って、あらかじめ知っていると、中国人や中国文化に接したときに役立つこともあると思います。

日本でも不快な出来事に「死ね」とか表現するけど、別に本気でその人の死を望んではいないじゃないですか、多くの場合。そうした文化がある、と背景を知っておくと、誤解を減らし、理解につなげやすいんですよね。

なので、貴重な異文化と接する機会を減らす、漢文廃止ってナンセンスだと。なんといっても、地理的にこんなに近いので。無視できるわけないんですよ。ケンカするにしろ、相手の事は知らなくちゃいけない。しかも毎年600万人以上来る、隣国の事を知っておくのって、当たり前に大切なことだと思います。

四字熟語と故事成語なしで生きられる?


いや、生きられますけどね。




でも、つらいと思います。


日本人の生活に四字熟語や故事成語ってよく使われています。

例えば、もう後がないという気持ちでことにあたる「背水の陣」。年を経てから才能が開花する「大器晩成」。

これらも元は漢文です。日本人が知らないだけで、我々が使っている多くの表現は、元々中国の表現だったものが沢山あります。ヤンメイも妻との会話の中で「えっ!これもとは中国語だったの?」という表現によく出会います。

じゃあ、百田氏の言うように、「中国は危険だから、学校教育から文化的影響を排除しよう」とするのなら、それらを全て排除しないといけませんよね。はっきり言って無理です。これらの表現はあらゆる文字のメディアに入り込んでいて、日本文化と分けられないくらい結びついています。多分、百田氏の作中にも、ルーツが中国にある表現が散見されることでしょう。それ抜きに日本語をつかえ、と言われたらかなりキツイんじゃないかなぁ。


という訳で、百田氏の主張する「中国に憧れるから漢文廃止」って、非現実的で極端な意見だな、と思うわけです。現に、国境に手を出してくる危ない国だっていうのは周知の事実で。

それでも中国好きな人は、

国家としての危険性は知ってても、歴史的、文化的、人間的な理由で個人的に好きなんだよ!

危ないから警戒しろ、っていうのは政治家とか役人とか、一部の人が職業として必要な心構えなんじゃないですかね。

普段は、誰がどんなこと言っててもあまり噛みつかないんですけど。あんまりにも根拠のないウソを堂々と書かれて、ツッコンでしまいました。

そんな中国への憧れが巷にあふれているなら、もう少し不快なニュースを見る機会も減るわ!と。

そんな、中国人の夫の憤慨でした。フンガー!