ウチのカミさん中国人 ~毎日が異文化~

国際結婚したい人の夢を壊さないといいな。国際結婚の現実、いいとこ悪いとこ盲点、みんなお話しします。

中国、修学旅行ないんだってさ

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いや、もちろんある学校もあるようですが。妻の学生だった頃の中国の小中高校では、日本のような修学旅行はポピュラーではなかったようです。

修学旅行、行ったからなんだ?という部分もあるでしょうが、ヤンメイ、修学旅行にも日本と中国の文化差がくっきり表れている気がするんですよ。

今回は、そんな修学旅行に見る日中の差について。

日本の修学旅行

ヤンメイ、学生の頃は各学校で旅行がありました。小、中学校では林間学校と修学旅行。高校でも修学旅行がありましたね。

特に、高校の修学旅行は自由時間というか、一日の計画を立て、自分達で自由に周るという時間がありました。テーマを決めたり、先生受けの良さそうなプランを立てたり、正直面倒でした。

教育的観点からすると、「修学」旅行ですから。集団行動をする、時間を守る、規則を守る、歴史文化に触れる、などのテーマがあったんでしょう。先のプランニングも、計画と実行の練習ですよね。

そう、日本の修学旅行は「遊び」「楽しみ」という視点より、規律や知識の「学習」といった面が重視されている気がします。とても日本的です。

先生お疲れ様です!

それで、子供の頃には考えもしなかったのですが。修学旅行って、先生にとって大変な行事だなぁ、と思うんですよ、改めて。

まず、旅行中はずっと「先生」として行動しなきゃいけない。朝から晩まで何日もですよ?超過勤務どころではなく、全行程勤務ですから。

代休はあるのかな?土日が日程に入っているとあるかもしれないですが、なかったら本当泣きますよ。

また、せっかく観光地に行っても仕事ですからね。多分、楽しめないでしょう。美味しいものを食べに行くとかも無理ですし。誘惑だけあって出来ないのなら、いっそない方が楽かも。

下見とかなら少しは自由かもしれませんが。それも同僚と一緒ですからね。所詮仕事の範囲です。

これ、選べるなら「修学旅行いらね!」って思う先生、結構いるんじゃないですかね?中国ではまさにそんなスタイルが実現されています。

中国の修学旅行

一方、中国人の妻は、そうした学校行事、一切なかったようです。日帰り遠足くらいはあったようですが、泊まりの旅行はなかったと。

なんでか?以下、妻の考察です。

中国の学校は勉強メイン

これまでも時々書いていますが、中国の学校は勉強のための専門学校という考えに近いようで。人格教育とか集団行動を身に付けるとかは、あまり重視されてないみたい。学校=勉強、というシンプルな目的の為の施設です。だから、旅行なんかしない。少なくとも、ちょっと前まではそんな学校ばかりだったはずです。

道中が危険

中国、大きいので国内旅行でも行き先により、結構な旅行になります。それで、誘拐とか事故とかも珍しくない国なので。安全を確保しつつ、大人数を定時に移動させるのは、日本の国内でのそれより難易度が高いのです。

先生が大変

そう。先生は学科教育の専門家であって、旅行の引率とか部活の顧問とか、そういった業務はやらないのです。むしろ、中国では学校の先生が勤務時間外(放課後)に私塾(有料)を開いて生徒に通わせていたりするので、そんなサービス残業なんかやってるヒマはないのかも。日本の先生には羨ましい話なのかな?

もちろん、ここ20年間の中国の変化は目覚しいものがありますから、修学旅行をやる学校も増えては来ているはずですが。基本的な考えはこのままだろう、とのことです。

修学旅行の教育的効果 

そこから善悪を判断するものではないですが、このような修学旅行を通しても、国民気質というのは作られるなぁ、と思います。

中国ではまだ皆が家族旅行で遠出をするライフスタイルではありません。いや、都市部の富裕層とかバンバン旅行に行く人達は行きまくるのですが、多分、行かない人は全然行かない。いや、行かなかった、というべきでしょうか。車を使ったレジャー人口も含め、今まさに中国では旅行人口が増加中といったところ。

つまり、今の個人旅行、レジャーを牽引する中核の世代は、自分の子供時代にはあまり旅行やレジャーを経験していないのです。なおかつ、修学旅行もない。

すると、旅先でいかに振る舞うべきか?というモデルを知らない人が、まだまだ中国には多くなっちゃうんですね。だから中国では政府が公式マナー本なんかを出したりして、慌てて教育しているのです。

中国政府の旅行マナー本 どこでも大小便するな、鼻ほじるな│NEWSポストセブン

中国人観光客といえば、「大声がうるさい、並ばない、ゴミを投げ捨てる、立ち入り禁止を気にしない」など、マイナスイメージが多いですよね。

これらは全部、修学旅行での禁止事項というか、怒られることというか。こういう教育が修学旅行も含めて、日常で繰り返し刷り込まれているところに、日本の教育の効果というか特色を感じます。

まぁ、逆に大人になってもその呪縛が解けず、受け身でお仕着せのプランに乗っかって生きていくスタイルになってしまう人も多い、というのもまた日本人の特徴ですけど。


制服の旅行集団を見て思った、日中修学旅行の違いのお話でした。