以前のエントリーで、中国人は「〜アルヨ」なんてしゃべり方はしません。実在しないしゃべり方です!と断言したヤンメイです。
ですが、今回「アルヨ」の実在が明らかになりました!ヤンメイのエントリーを読んだ方がコメントを下さったのです。
これぞブログの醍醐味ですね!まぁ、ヤンメイはwww.(ワールドワイドウェブ)で世界に恥をさらしていた訳ですが。
今回はそんな「アルヨ」についての話。
アルヨがあったアル!
詳しくは過去のエントリーをご覧いただくとして。日本のマンガやコントなどでよくある、「アイヤーって表現はよく使うけど、中国人が語尾に“アルヨ”を付けて話すのなんて、聞いたことがない」という話です。
聞いたことがないもので、すっかり実在しない表現と思い込んでいたんです。それどころか、石ノ森章太郎先生辺りの創作だろう、とまで書いてしまったのですが。
実在してました!
コメントを下さったたぬ吉さんによれば
アルよの語源ですが、日本が中国の一部を統治していた時代、日本語を現地人に教える必要がありました。そこで語尾が複雑に変化する日本語の特性を簡単にし、語尾を全て「〜アル」で統一して教えていたのが始まりです。その名残が戦後も残ったのでしょう。いずれにせよ、実在しない訳では無いです。
とのこと。
おおっ!そんな歴史的背景があったとは!!
ありがたい指摘です。
協和語って知ってる?
そこで改めて調べてみたところ「協和語」というのが出てきました。
戦前、その成立に日本が深く関与していた満州国。そこで使われていたのがこの「協和語」であったと。で、何それ?って話ですが。外国人向けの簡易日本語って感じです。
満州って、今でいう中国の東北地方です。そこに作られた「満州国」に、多くの日本人が移民して行きました。当然、中国なので中国人も沢山住んでいます。国同士の力関係では日本が優位なので、そこでコミュニケーションをし易くするために、日本人が開発した簡易日本語が「協和語」だと。
助詞を省いたり、語尾の変化を省いたりしたみたいですね。確かに「助詞」の使い方は難しく、かなり日本語レベルの高いヤンメイ妻も、まだ時々間違えますから。これを省いて、大意を通じるようにすると、少しは言葉が簡単になるのかな?
例:あなた座るの椅子ないアルヨ
確かに意味は通じます。翻訳ソフトにかけた言語に近い?こんな感じで語尾に「アルヨ」を付けていたようです。
これって黒歴史?
ともあれ、そういうちょっと怪しい日本語が満州の地では話されていた、と。当然、日本人は普通の日本語で話していたでしょうから。「協和語」で話すのは在満の民。ほとんどが中国人ですよね。なので、中国人が話す日本語=「〜アルヨ」で聞き慣れた人が一定数いたはずです。
おそらく、前述の石ノ森章太郎先生は時代的に「協和語」の存在をご存知で、作中で使っていたんでしょうね。その後の80年代以降に描かれた漫画での「〜アルヨ」は、もはや既存作品の影響で、「協和語」起源ではなさそうですが。
ヤンメイ妻も、このような日本語の存在は全然知りませんでした。彼女は中国の日本語学校で日本語を学び、更に来日後、日本の日本語学校で更に日本語と日本文化を学んできたのですが。協和語のような言語があった、という歴史は一切習わなかったようです。
中国は日本の影響下にあった満州国を黒歴史と見なしてますから、自国民に教えないのは分かりますけどね。
ウィキペディアによると、日本敗戦に伴う満州国の瓦解で資料が散逸し、研究もほとんどない、とのことなのですが。
ある意味、日本の歴史でもあるわけでしょ?大学受験で日本史選択だったヤンメイもカケラも知りませんでしたし。シベリアに抑留されていた(当時満州国にいた)日本人は70万人以上もいたのだから、もう少し何らかの形跡が残っていても良さそうなのに…
開設15ヶ月目にして、歴史の闇に踏み込んでしまったのか、ウチカミ!?読者諸兄は今後の更新でヤンメイの無事を確認して下さい(笑)。
逆に、このコメントを下さったたぬ吉さんは、どうやって協和語を知ったんでしょうね。とっても気になります。
以上、「アルヨ」があったというお話でした。