うなぎラーメン、食べたことのある人が何人いるでしょうか?その名の通り、うなぎの入った、というか、うなぎの乗ったラーメンです。
そんなんあるの?
静岡辺りで隠れた名物なの!?
皆さんの戸惑いが聞こえてくるようですが、決してふざけたウケ狙いの企画モノではありません。別にポピュラーでもないんですけどね。
読者登録させてもらってる太太(id:taitai39)さんのエントリーに触発されて、今回は珍しいうなぎラーメンのお話。
うなぎラーメン知ってる?
なんかね、最近「爆誕」とかいう単語を目にするんで、使いたかっただけのタイトルです。別に急に出現した食べ物ではありませんよ、うなぎラーメン。
そもそも、うなぎラーメンなんてあるのかよ?
あります。ヤンメイ食べました。そろそろ勘のいい読者諸氏は気付かれたかもしれませんね。
そう、うなぎラーメン、中国の食べ物です。日本には…多分ないでしょうね。と書いてから、一応ググったら出てきました!いや、本当日本の食はカオスですね。まぁ、日本のうなぎラーメンは置いといて。中国で食べたうなぎラーメンのお話をします。
うなぎラーメンと聞いて、どんな食べ物を連想するでしょう?
頭の中で、うなぎの蒲焼きがラーメンに乗っかってる画を想像した人、素直に挙手!
よろしい!
あなたはヤンメイの仲間です!
ヤンメイも初めて「うなぎのラーメン」を食べに行くよ、と聞いた時、脳内の画像は「蒲焼き乗せラーメン」でした。
これね、日本人のうなぎの食べ方が画一的だから仕方ないんですよ。うなぎと言えば、まずは蒲焼きでしょう?次いで白焼き?他に何か思いつきますか?ヤンメイ出てきません。
中国人は鰻の蒲焼きを好むか?
うなぎの蒲焼き、美味しいですよね!ヤンメイは大好きです。中国人の妻も大好物。
とはいえ、うなぎの蒲焼き、手間のかかる料理です。うなぎを裂いたうえ、蒸し、そして焼く。この食べ方、すっごく美味しいけど、こうまでして脂を落とさないと「くどい」とも言えます。
中国のお義母さんを鰻屋に連れて行った時、慣れない脂っぽさが合わなかったのか、半分しか食べて貰えませんでした。
え〜っ!?
中華料理も相当脂っこいですけど!?
食は慣れが必要ですよね。我々は脳で食べてるんだなぁ。
うなぎラーメン詳述
で、うなぎラーメンですよ。その蒲焼きが乗ってるって思った人、違います!って話です。あんな手間暇かけません、というより、外国人は蒲焼きしないからね。
じゃあ、うなぎがどうやって出て来るのか?
炒め物として、麺の上に乗ってきます。タンメンの野菜炒めがうなぎ炒めになったイメージです。ヤンメイが食べたのは、海老とうなぎとネギをニンニクで炒めたものが麺に乗っていました。これがなかなかいけます。うなぎの炒めもの、初めて食べましたけど、こってりの具があっさりの麺とマッチして美味しいのです。
ただ、これがメジャーなのかというと、そうではなく。アドリブで作って貰ったので、メニューに載る品ではなさそう。食べたかったら頼んでみましょう。
中国市場食堂での冒険
日本でも魚市場の片隅に食堂があったりしますよね。元々はスタッフや出入りする人達が食べるための店だったけど、外来者にも開放してます的な。
あんなのがね、中国の市場にもあったのです。妻の実家の周囲には徒歩圏にいくつか市場があり、野菜、肉、魚、なんでもござれです。その一ヶ所に市場食堂をやってるところがあって。そこで、市場で買った新鮮な海老とうなぎを持ち込み、「これで美味い麺作ってくれ!」とやる訳です。
中国人はアドリブ効くので、そういうマニュアルにないことが店も客も平気で出来ちゃうのです。そうして出来たのが、ヤンメイが食べたうなぎラーメンだったんですね。アドリブだけど美味しかったです。
中国のウナギ
不思議なんですが、大陸中国では食材が小ぶりなことが時々あります。カニとかリンゴとか、向こうのデフォルトより日本サイズの方がデカいんですよね。向こうでポピュラーなカニは言わずと知れた上海ガニサイズですし、リンゴも姫リンゴサイズです。(in 杭州)
ヤンメイが食べたうなぎもそんな感じでした。日本人的には割と小ぶりで、ドジョウとうなぎの中間サイズ。脂は乗ってましたが、脂乗りの良い魚レベルで、蒲焼きにしたらパサパサしちゃうかな?くらいの感じで、しつこさはありませんでした。
うなぎラーメンではぶつ切りの物を炒めてましたけど、やはり炒めるか蒸すのが一般的みたいです。
ちなみに、中国でもうなぎはスタミナ料理的な存在かつ、高価な食べ物です。うなぎ海老ラーメン、きっとお高かったと思います。(お支払いはお義父さん)
中国のラーメン
中国のラーメンについても触れておきたい。中国のラーメンは日本のと似てるけど別物です。これは、日本が独自に進化を遂げてしまったというべきなんでしょう。
一番の違いはスープです。多分、日本のラーメンは麺とスープで言えば、手間ヒマをかけている比重は明らかにスープだと思います。まぁ、麺は口に入れてから噛まなければ味が分かりませんが、スープは口に入れた途端に勝負が着きますからね。日本の職人さん達は、日夜スープを美味しくしよう、と努力を重ねてきたと思います。
一般的な中国のラーメンはそこまでスープにこだわってない。誤解を恐れずに言えば、普通のスープに麺と具をぶち込みました、的な料理です。おそらく、主役は麺と具です。それを簡単に食べるためのスープ。
強いて言うなら、お味噌汁をかけたご飯。もしくはお茶漬け。あまり大量のおかずを必要としない、目の前の汁をぶっかけて、ささっと食べるのに最適な軽食。そんなポジションだと思うのですよ、中国ラーメン。だから、基本的に向こうのラーメンは安価ですし。
日本人がラーメンを冒涜?
でも、永谷園のお茶漬けの素とかかけてサラサラといただくべきお茶漬けに、手の込んだ出汁をかけ、フグとかウニとかフォアグラとか乗せて、高級料理にカスタムするやり方があります。美味しくてもなんか違うな、とか思いません?
日本のラーメンはこれやっちゃった感じなのかな?と書きながら気付いてしまいました。
中国のラーメンはイマイチ。日本のラーメンは手がかかってて美味しい。
そーなのか?
いやね、外国人がソバを食べる時に、伊勢海老のビスクをツユ代わりに、トリュフやフォアグラとか上に散らした料理を考案したとして。それは美味いかも知れないけど、もはや日本ソバではない何かになっちゃったなぁ、って思わない?
フランス人はソバつゆに生ネギとわさびの薬味で食べるソバを美味しいと思わず、洋食風のアレンジを好むかもしれない。そっちを美味しいと思うなら、それはなんの文句もないんだけど。でも、日本人のソバの食べ方に文句を言ってきたら、大きなお世話だ!って思います。
口に合う合わないはそれぞれあると思いますが。中国人としても、自国のラーメンを手間かけ過ぎて別料理にしちゃっておいて、本家をイマイチ扱いって、お前ら分かってないな!と日本人に怒っているかも知れません。
と、ここまで書いてきて。
あれ?本来ざっくりお手軽な食べ物に、高級食材乗せちゃうミスマッチって、まさにうなぎラーメンじゃん!?
あれ?じゃあ、いいのか。高級化した非中国ラーメン的なラーメンを中国人自ら作って振舞ってくれるのですから。その延長線上にある日本のラーメンもオッケーってことですよね。
なんか勝手に中国人の立場を忖度して損した。
まぁ、そんな、うなぎラーメンを食べたよ、というお話でした。きっかけになった太太さんのエントリーはこちらから。