ウチのカミさん中国人 ~毎日が異文化~

国際結婚したい人の夢を壊さないといいな。国際結婚の現実、いいとこ悪いとこ盲点、みんなお話しします。

外国人はなぜ時短労働が出来るのか?

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外国では日本みたいに長時間労働をせず、サクッと業務を切り上げても仕事の成果が上がり、年に一度は一ケ月近いバケーションを取るものだ!と思っていました。主に白人の社会では。

どうして日本ではそれが出来ないのかが疑問だったし、どこが違うから外国人にはそれが出来るんだろう?というのも疑問でした。

が、最近、数年のドイツ赴任から帰ってきた友人から、その答えがもたらされました。まぁ、単なる一例報告に過ぎないんだけど。ヤンメイ にとっては目からウロコだったのね。

今回はそんな、なんで外国人は短い労働時間で成果をあげることが出来るのか?についてのお話。前回のコンビニ自動化の話題に続いて、働き方の話が続きます。

白人と一口に言うな

なんか、白人社会では業務の効率化が進んでいて、日本みたいに長時間労働をしなくてもいい、スゲーなぁ。そんな風に思っていました。

もうちょっと言うと、白人社会はハイリスクハイリターンというか。有能な人は高額収入でヘッドハンティングされ、ちょっとつまずくとスパッと解雇!みたいなハードな労働環境なんだ、とも。

でもね、そもそも。この白人というくくりでアメリカとヨーロッパを一緒くたにしてしまうのが雑な概念なんだ、と洋行帰りの友人に教えられました。

彼は、某外資企業に勤務していて、数年のドイツ赴任から最近帰ってきたのですが。そこでの勤務経験というのは、なるほど!でありビックリ!であり。もちろん、それはとある企業限定での話かもしれませんけど。

で、ドイツ人というかヨーロッパ社会って、ヤンメイが思うほど弱肉強食ではないみたい。ヤンメイイメージのバリバリの能力主義って環境は、アメリカのものみたいなんですよね。ヨーロッパはもう少し日本人の感覚に近んだそうで。そんな簡単に首を切られたりっていうドライな社会ではないらしいです。

ブラックジャパニーズ

とはいえ、やっぱりヨーロッパ人も日本人ほど長時間労働はしませんし、長期バカンスもきっちり取ります。

件の友人も、ドイツ赴任中は17時に仕事から上がって、18時には友人宅でバーベキューとか普通だったそうです。まぁ、多少朝は早いそうですが、17時に上がれると一日の使い方が随分と変わりそうですよね。

そして、帰国後は23時、24時まで勤務とか当たり前にこなすようになったそうです。いや、それスゲーブラックだよね?同じ会社の日本支社だよね?17時まで勤務から24時まで勤務とかになっちゃったら、モチベーション保つの難しいっていうか、バカらしくて辞めたくならないのかな。スゴイなぁ、日本人。

そして、ここまで長時間働かないと、ドイツでの勤務と同等の成果をあげられないって、どれだけ日本人は無能なのか?どれだけ無駄な働きをしているのか?って思ったんですけど。

いやいやいや、なんかおかしくないですか?同じ人が働いてるんだよね?勤務地が変わって、そこまで能力とか作業効率が変わってしまうものでしょうか?そんなワケないよね?

もちろん、残業が当たり前とか、上司より先に帰りづらいとか、日本独自の風土があったとしても。ほぼ勤務時間を倍にしないと追いつかないってあり得ない。どんなに非効率なシステムを採用していても、そこまで差は付かないんじゃない?

どうやら、友人の彼の場合は、エンジニア兼管理職らしく。ドイツではエンジニアとしての業務とチームをまとめる仕事だけで済んでいたのが、帰国後は会議、ミーティングに取られる時間が長く、自らのエンジニアとしての業務は時間外にならないと手をつけられないのだそうです。

あー、これは日本の悪癖な気がします。医療でも教育でもメーカーでも、専門性の高い人材に雑務を押し付けて本来の業務をやれなくしてしまう。話を聞いて、外国人はその辺の分業が上手いんじゃないかなぁ、と思いました。

白人は優秀?

とはいえ、それだけが決定的な違いという訳ではないらしく。短時間労働には短時間労働のジレンマというか、デメリットもちゃんとあるんだそうです。

例えば、納期がある。仕事量は多い。当然時間までには終わらない。しかし、労務環境的に残業はさせられない、許されない。

すると、仕事のクオリティを落とす、というのも1つの選択肢になってしまうのだと。技術者的には100のクオリティを目指したいが、せいぜい75くらいまで煮詰めて時間切れ。あとは現場で苦労して下さい。そんな尻切れトンボな仕事をせざるを得ない現実があるのだそうです、外国の時短勤務の背景には。

なんか納得。勤務時間だけうんと短くて、成果は一緒って。そこまで日本人は無能なのか?って疑問はあったので。やっぱり、高いクオリティを出すには、ある程度時間という資源も必要だよなぁ、と。この話を聞いてちょっとスッキリしました。

日本スゲーですか!?

で、そんな話題でちょっと面白かったのが。彼とは逆に、ドイツから日本に赴任してきたドイツ人エンジニアの感想でした。

17時まで勤務の社会から欧州の100年前の労働環境以下である超長時間勤務の日本社会に放り込まれたドイツ人は何を思ったのか。

 

 

 

日本、素晴らしい!

 

 

 

えっ!?マジですか?

 

 

いや、先述のように、エンジニアとしての魂を売り渡して、許される業務時間内に出来る仕事をしてきたドイツ人からすると、とことん仕事してもダメと言われない日本、素晴らしい!!これで思う存分仕事に打ち込める!!と思ったそうです…。

そうですか。まぁ、そんな気持ちは分からなくはない。キリのいいところまで、納得するところまで、仕事が出来るって確かに幸せです。

でもなぁ、なんか複雑。今、時短、時短とやっきになって業務の効率化を追求している日本社会ですが、ゆくゆくはこのドイツ人みたいな感想を持つとしたら、なんか一周回って戻ってきた感があるなぁ。

中国は日本に倣え?

ちなみに、お隣中国の社会では最近、996という働き方が台頭してきたようです。

これね、9時から9(21)時まで週に6日間働く、という労働スタイルだそうです。

昭和じゃん!?どうした、中国人!?

まぁ、元々、のんびり働く人がいる反面、身を粉にしてゴリゴリ働く人もいる社会でしたが。なんだか、昭和の日本人みたいなバリバリした働き方をする人が達が増えているのでしょうか?どんな社会を目指しているのか、目が離せない感じです。

 

まぁ今回は、1パターンに過ぎませんが、外国人が短時間労働を可能にする理由の1つがクオリティの違いでした、というお話。日本人も中国人もどちらに向かっていくんでしょうね。