ウチのカミさん中国人 ~毎日が異文化~

国際結婚したい人の夢を壊さないといいな。国際結婚の現実、いいとこ悪いとこ盲点、みんなお話しします。

中国人は猿の脳みそを食べるという誤解

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かなりニッチなところをかなり主語大きめに表現してみました。誤解と言えば誤解。事実と言えば事実。

えっ!?そうなん?中国人、猿の脳みそなんか食べるって言われてるの?という、知らない人は全然知らない、中国の食文化を広めておいてさらに鎮火する、というマッチポンプなお話。

中国には猿の脳みそ料理があるらしい

うぇ〜、なんだよ、それ。気持ち悪いわ!

という印象を持つ方もいらっしゃるかと思います。まぁ、無理もない。

でもね、ヤンメイはどこかで聞いたことがあったのですよ。中国人は猿のみそを食べる、と。しかも、それはかなり珍味である、と。いつしか伝え聞いたそれは、ヤンメイの中で事実となり、実際に食べるところやお店のメニューで見た訳でもないのに、中国人は猿の脳みそを食べるものだ、とすっかり信じ込んでいました。

一説には満漢全席(まんかんぜんせき)という、コース料理の一品に入っている贅沢な料理だと言われています。

ちなみに、満漢全席とは清王朝の時代の宮廷料理で、当時の支配階層であった満州族と多数を占める漢族の料理から選りすぐった100を超えるメニュー(108品目?)を宴席において三日三晩かけて供するものだったとかなんとか。諸説あるので細部で違うかも知れませんが、大体そんな料理です。

それの一品が猿の脳みそ料理だと。

ある中国人の証言

なので、結婚10年も超えてるんですけど、つい先日聞いてみた訳です。

 

ヤンメイ:中国では猿の脳みそ食べるんでしょ?

ヤンメイ妻:はっ?何それ、気持ち悪い。食べないよ、そんなの!!

:えっ?食べないの!?満漢全席の一品で有名なんじゃないの?

:あぁ、金持ちの宴会料理ね?でも、何が出るとか知らないし、猿の脳みそなんか一般的じゃないよ!

 

が〜〜〜んっ!!

そーなの?

 

ポピュラーとまではいかなくても、てっきりみんなが知ってる料理だと思ってました。

 

どうやら、中国人にとっても猿の脳みそというのは食材としてポピュラーではないらしいです。少なくとも、ヤンメイの妻は食材として認識していませんでした。普通に買ってくるようなものではないし、是非とも食べたい憧れの食材、とかって訳でもないみたい。

確かに、経験上、中国では猿以外の動物でも脳みその料理が出てきたことはなかったです。ある意味、中国人以上に悪食とも言える我々日本人だって、何かの動物の脳みそって食材としては考えてないですよね。

中国は広いですし、猿の脳みそを食べる民族、地域はあるかも知れません。庶民と縁のない、高級料理、宮廷料理には珍味としてそんな料理があるのかも知れません。ただ、一般人にとっては、少なくともヤンメイの妻にとっては「何それ?」って話だったようです。

四条流包丁式って知ってる?

ちょっと話題が変わるし、純粋な料理の話ではないのですが。四条流包丁式って知ってますか?

四条流とは、平安時代から続く日本料理の流派で、朝廷で天皇や貴族に料理を供する時は、この技法に則ってやっていたそうです。

貴族の日常の食事は違うのでしょうが、晴れの儀式の席では包丁人(料理人)が包丁と箸のみを使って、一切手で触れずに魚を捌くというパフォーマンスが行われていました。

というか、今でもその技は伝承されていて、おそらく宮中の儀式の際は行われていると思います。

ですが、今なお続く朝廷料理の技法について、この記事を読んで初めて知ったよ、って方もいるんじゃないですかね?

さらに言えば、そこでどんな料理が出ているのか?とかそもそも朝廷(宮廷)料理って何なのか、ヤンメイは全然知りません。つまりはそういうことです。そーゆーのは存在しているのかも知れないけど、庶民とは無関係なのでよく分からなくて当然だと。

仮に、満漢全席に猿の脳みそ料理があったとしても、一般庶民には預かり知らぬ話題なんでしょう。

 

というか、なんで自国の宮廷料理1つ知らないのに、満漢全席のメニューなんて刷り込まれていたんでしょうね。我ながら謎過ぎます。脳みそっていう凄いインパクトだからでしょうか?

ちなみに、中国のポータルサイト「百度」で猿の脳みそにあたる単語「猴脑」で調べると色々出てくるには出てきます。メニューとか動画とかね。

ですが、ウィキペディア的なページには「中国ではほとんどの猿は保護しているので狩猟して食べないでね」とちゃんと書いてあります。

そんな、中国では猿の脳みそを食べる料理がかつてはあったようだけど、今や一般的ではないですよ、という、中国への長年の思い込みが解消しました、なお話でした。