面シーサー、ご存知でしょうか?
また見慣れない単語が出て来ましたね。シーサーなら分かるけど、面シーサーって何なのか?知らない方も多いと思います。上の画像の左上、赤茶色のシーサーがそれなんですけど。
今回、この面シーサーの取付けでなかなか手間取ったので。面シーサーの取付けをどうしたらいいのか悩む全国のフレンド(いるのか?)にお贈りする、面シーサーの壁への取付け方についてのお話。
面シーサー欲しい
シーサー。沖縄版の狛犬というか獅子というか。まぁ、沖縄文化の想像上の動物ですね。守り神的な位置付けなのかな?沖縄では屋根とか門柱に設置しているご家庭をちらほら見かけます。
小物やマスコットとかもあるけど、ガチのシーサーで多いのは立像だと思います。まさに神社の狛犬みたいな。
ただ、ちょっとマイナーなんだけど、シーサー界には面シーサーという変わり種がありまして。シーサーのお面に枠が付いていて、平面的に飾れるようになっている種類があるのですよ。伝統があるのかは分かりませんが、立像で飾るスペースの確保が難しいマンション用とかに台頭してきたのでしょうか?
ともあれ、それをヤンメイ妻が欲しがっていまして。そもそもは、門灯にシーサーがあしらわれた照明の導入を考えていたのですが、ヤンメイ妻的に実物はしっくり来なくて却下しました。詳しくはこちら。
しかし、当時行っていた石垣島の居酒屋の近くで、格好いい面シーサーを見つけて一目惚れしてしまい。家が完成したら購入しよう!と燃えておりました。ただ、待てど暮らせど家が完成せず…作家さんへの依頼も伸び伸びになっていたある日。
面シーサー購入希望を聞き付けた友人が、新居のお祝いに良い面シーサーを贈ってくれる、というのです。友人にもお気に入りの陶芸家さんがいるらしく。
それで、そのシーサーの写真を見せて貰ったら、めっちゃ素敵なのです!ヤンメイ達が目を付けていたシーサーもか素晴らしい力作だったのですが、ご紹介シーサーは眼力がさらに凄いんですよ。悪霊退散間違いなし!って感じで。
なので、浮気というか乗り換えというか、お願いしてご厚意に甘えることにしました。
面シーサー、控える
さて、航空便で送って万が一があってはならない、と友人は万全を期してくれまして。沖縄在住の彼の家族に手ずから持ってきてもらったのです。いや、なんかVIP扱いじゃないですか、シーサー?めちゃくちゃ有り難くも申し訳ない。
そんな訳で、コロナ下で新居に初めてお客さんをお迎えしたのが、そのシーサーを持参してくれた友人家族だったのでした。
そしてやってきた、25cm角の面シーサー。美形ですよ〜。結構大きいので迫力があります。しかし、それなりに重さもあるので、どうやって飾ろうかな?と。
基本、玄関のドア付近の壁への取付けを考えていましたが、まぁ、庭も出来ていないし、ちょっと待っていてもらおう、と。押入れにしまってから、ちょっとどころか1年以上が過ぎてしまいました。
取付け方法をプロに訊く
でも、その間に取付け方法を色々考えていました。壁に直接付けるのは外壁の塗替えを考えると不都合です。なので、一枚板をかまして、そこにシーサーを付けようと考えました。道場の看板のイメージです。
さて、問題はどうやって板に付けるかです。立像ならモルタルで屋根や門柱に固定ですが、面シーサーだし取付け場所は木だし。
そこで、面シーサーを作られた金城陶器 秀陶房さんに直接問い合わせのメールをしてみました。「木の板をかまして壁に取付けたいのですが、固定方法はどうすればよいですか?」と。
すると、なんと翌日には秀陶房の作家さん、金城秀義先生ご本人からお返事がありました。作家さんご本人が超速でご返信下さりびっくりです。で、おっしゃるに「板にはコンクリートボンドで付けるのが簡単で良い」とのお返事でした。分かりました!コンクリートボンドですね!!
ちなみに、金城秀義先生は人間国宝だった陶芸家、金城次郎さんの流れをくむ金城一門の作家さんで、色使いも造形もめちゃくちゃ素晴らしい作品を作られています。
土台の板を作る
では、シーサーを安置する板を用意します。一枚板に防腐加工も考えましたが、シーサーを取付けると塗り直しが面倒です。外で風雨にさらされるし、ノーメンテで行ける素材を考え、ウッドデッキ用のハードウッドを使うことに。
ハードウッドというのは、防腐防虫性に優れ、ノーメンテで30年以上腐らないとされている、めちゃめちゃ頑丈な木です。とにかく堅くて重い。専用のビスを使わないと、ウッドデッキを作る時にビスが折れてしまうそうですから、その堅さが分かります。
そんな、ウッドデッキのフェンス用のハードウッドは10cm幅なので、それを30cmにカットしたものを3枚繋いで四角い板にすれば良いな、と。
幸い、庭作りをお願いしたお庭屋さんがウッドデッキの施工もしていて、運良く端材の板をジャストサイズに切ったものをタダでいただきました!ラッキー!!ちなみに、イタウバという種類の木です。
作業は簡単。3枚の板を並べ、木工用ボンドを塗って接着。ボンドはよくある黄色のではなく、屋外、雨対応のボンドです。べったり塗って接着します。
これを自作のハタガネで挟んで圧着。この時にはみ出したボンドはちゃんと拭き取っておきます。一晩乾かしたら完成。これを2枚作ります。
金具の取付け
それだけでは固定力が不安なので、さらに金属のプレートで固定します。外なのでサビないようアルミを使います。
ハードウッドなのでちゃんとキリで下穴を開けてからビスで固定します。


さらにこの板を壁に引っ掛けるための金具を取付けます。ノックダウン金具(キーホール金具)といって、釘やビスの頭に引っ掛かるようにする金具です。これも下穴を開けてから、左右平行に取り付けて完成。
シーサーの取付け
実はここからは、ストーブのメンテで来ていたログハウスメーカーのフェニックスホームさんに手伝ってもらったので写真がないのですが。
まずは板をひっくり返してシーサーを固定します。金城先生はコンクリートボンドをお勧めしてくれましたが、フェニックスさんはビス留めで行けそうではないか?とビス留めを提案。まぁ、だめなら後でボンドで留めよう、とビス留めを採用。
というのも、このシーサーの枠はまっ平ではなく縁が持ち上がっているので、ボンドの接着面が少ないのです。
元々シーサーの四隅には穴が空いているので、それに合わせて下穴を開け、手締めでビス留めしました。だって、ドリルドライバーとかで締めすぎてシーサー割れたら泣いちゃいますから。
あとはノックダウン金具の穴に合わせて家の壁にビスを打ちます。これが出来なくて設置が伸び伸びになっていた、ともいえます。いや〜、素人が外壁に穴を開けるのは抵抗がありますよ。結局、フェニックスホームさんに空けてもらいましたけど。
外壁から下の構造まで入れるので、5cmのビスを使いました。これの頭を3〜4mm出して、ノックダウン金具に引っ掛けるのです。これの調整が一番苦労していました。板でビスの頭が見えないので手探り状態で引っ掛けます。揺れないようがっちり引っ掛けて完成!板とシーサーを合わせると1枚3kg近い重さになります。
シーサーの左右問題
ちなみに、シーサーに詳しい方は上の画像を見て気付いたと思うのですが。一般的にはシーサーは正面から見て右がオス(口を開けている)、左がメス(口を閉じている)、と設置するようです。
ウチは逆ですねぇ。じゃあ、左右取り換えればいい、と思うでしょう?いやいやいや。実は左右のノックダウン金具の位置がきっちり同じではないので、交換するとハマらないのよ。同様に、板にシーサーを留めているビス穴も、シーサーを変えたらズレてしまうので交換不可…
まぁ、厳密な決まり、ということではないようなので、ヤンメイ家はメジャーなセオリーと逆でもいいかな、と。そのままで設置しています。
材料費の総額
イタウバ 6枚 頂き物
ステンレス金具 4個 ¥ 2,096
タッピングビス 1袋 ¥ 296
ビス(シーサー留め) 8本 頂き物
ノックダウン金具 所持品
木工ボンド 所持品
合計 ¥ 2,392
総額で2,392円でした。既に持っていた物や頂き物も多く、余り予算の参考にはなりませんが。一応、参考まで。
後日談
事前のご相談では取り付けはコンクリートボンドで、ということになっていたので。またまた図々しくも、前出の金城先生に取り付け写真を見ていただき、構造上これでボンドなしのビス固定で大丈夫か訊ねてみました。
お答えは「大丈夫そう」とのこと。ただ、沖縄では台風や塩害を考えて隙間にシーリング材を充填します、との丁寧なお返事をいただきました。ご丁寧な対応にただただ感謝です。まずは一安心。
そんな訳で。長々とかかりましたが、ヤンメイ家の入り口に面シーサーが無事に設置されました。ログハウスにシーサー…またまた個性が増しましたね。うん、オリエンタルな雰囲気というやつです。どうぞ、魔除けとしての力を遺憾なく発揮して下さい。このエントリが面シーサーの取付けに悩む方の一助になりますように。