先日、子供が妻に説教をされていました。
きっかけは些細なことだったんですよ。小袋のせんべいをヤンメイと分け合っていて。「ママもパパに分けてあげてよ!」と。子供らしい可愛い光景なんですけどね。事態はそこから思わぬ方向に。
結果的に娘はなかなか難しいテーマを突き付けられていました。そこになんだかブレない中国人の強いメンタルの源を見たような気がしました。
いや、それって日本の家庭でも散々言われてきたことなんですけど。大人なってみると、心理学的にも裏付けがあることなんだと分かります。
今回はウチカミでは珍しい子育て論、「ヨソはヨソ、ウチはウチ!」のお話。
おせいんべいをあげて!
ある日、娘とテレビを一緒に観ながら、小袋のせんべいを食べておりました。妻が娘にあげたせんべいを「パパ、一緒に食べよう」と声をかけてもらい、分けてもらっていた形です。
まぁ、元々あまり量もありませんし、意識は基本的にテレビの方に向いているので、2人してパクパク食べ進めていて。残りも少なくなってきた頃、ヤンメイ娘が妻に言いました。
「ママっ!ママもパパに分けてあげてっ!!」
残りのせんべいが少なくなってきたことを受け、口減らしを思い付いたようです。賢いじゃないか(笑)。でも、気持ちは優しいのですが、かなり強い口調なんですよね。これが、やはり1人で同じ小袋のせんべいを食べていた妻にはカチンと来たようで。
さらに娘は母への非難と要求を重ね、「ママがパパにあげないなら、これから私もママにお菓子をあげないから」の発言が出たところで、「誰が買ったと思ってるの?」と昭和の親父ばりの反論が始まり、両者の応酬は泥沼化していきました。最後には娘が泣き出す始末。
まぁ、元々はパパと一緒に食べよう、分け合って食べよう、という優しさから出た態度なので、父としてはなかなか怒るに怒れないものがありました。
支配するのは自分だけ
でもね、まぁ感情論と混ざってきて、何を怒っていたのか焦点がボヤけてきた妻に代わって娘を諭しましたよ。多分、こんな事を伝えたかったのだろう、と捕捉しながら。
娘ちゃんがパパにおせんべいをあげたかったら自由にあげて良い。でも、他人の行動にまでとやかく口出しをしてはいけない。ママにあげるように命令してはいけない。
あなたはあなたの行動だけを決めることが出来る!=あなたが支配しているのは自分だけだよ
というシンプルなメッセージです。
これはある意味、ヤンメイが子供の頃さんざん聞かされた「ヨソはヨソ、ウチはウチ」の変形というか原型だな、と思いました。当時は大人の力技はひどい!とばかり思ってましたけど、これって真理ですよね。
課題を分離しろ
この線引きが曖昧だと、他人の喧嘩にくちばしを挟んでくる子になるのです。ヤンメイの小学生の頃にもいましたよ、女子とケンカになると勝手に◯◯ちゃんの意思を代弁して「こんなに◯◯ちゃんは傷付いてるんだよ!可哀想!!」とか割って入ってくる女子が。当時から不思議でしたけど。何なの?この共感力の高さ。
心理学の一分野(アドラー心理学)では、これをするな、と言っています。「課題の分離」といって、誰の課題なのかを明確化して、自分の課題に専念することを問題解決の手段として示しているのです。
他人と自分の課題分離ってこんなに簡単!? - アドラー心理学サロン
つまり、他人の課題に乗り込んでいくことも、他人が自分の課題に乗り込んでくることもトラブルの原因になるからよせ!と言っているんです。
これは度が過ぎると、他人は他人だから関係ないし知らない、という冷酷さにも繋がりそうです。だから段階的に程度を教えないといけないのだけど。
まずは原則論として「まず自分のことをやりなさい!」を徹底するのですね。
妻はアドラー心理学とか全然知らないので、単に自分が育てられたようにリピートしているのだと思います。他人のことはいいから、まず自分のことをやりなさい!と。
でも、これがなんか、妻のブレない個に結び付いているような気がします。本当ブレないのよ、中国人。独善的とも言えるあの芯の強さは、是非我が子にも身につけて欲しいな、と思っています。
ともあれ、共感力の強い年頃の子に、「課題の分離」という難しいテーマが示されました。これ、今後も繰り返して学んでいくんでしょうね。願わくば、自分のお菓子を自分だけで食べようとしないように育って欲しいものです。